SILVER RAIN

自身を取り巻く環境と人間模様の雑記です

主語を入れよう

「人類を愛するのは簡単だが隣人を愛するのは難しい。」

加藤諦三氏の名言には毎度ハっとさせられる。これと同じ心理が働くと他人への説得力が失せることにも気付く。

例えば目の前の人に対し「俺は人の役に立ちたいから」と言ったところで、その人は十中八九で頼ってくれないと思うんだよね。理由は簡単で、人類愛を掲げられてもふーん凄いねー偉いねーとしか思って貰えないから。

だけど「俺はあなたの役に立ちたい」と対象を絞り込んだ途端に相手の心は動く。当たり前の事なのにそこに気付かない人は存外多いだろう。

そう、相手に響かない時って120%の確率で主語が抜けているのだ。

いつでも連絡して、という表現も「あなたが望めば相手をします」という、受け身且つ「自分からはしない」の意志表示になる。

メールも電話も、別に欲しくなければそれでいいと思うよ?でも話をしたい相手にこの言い方はNGでしょ。

だったら「あなたと話したいので連絡ください(或いは「連絡していいですか?」)」が正解だよね。

 

主語や意志を曖昧にしたまま話を通した気になっても、相手の心には全く響いていない。頼って貰えないと落ち込む前に誰の役に立ちたいのか指定してあげないと、ただの人類愛を説く人になってしまうし、メールや電話も毎度毎度受け身な上に薄い反応しか返してなければ、そのうち自分の連絡なんか別に欲しくないのだろうと相手は思うようになるから、その兆候が出て来たなら気を付けた方がいいかもね。

誰からの連絡が欲しいのか、誰の役に立ちたいのか、主語をちゃんと入れないと。人類愛なんかで愛して欲しい人は一人もいないはずだから。